7月28、29日開催の第54回「人権と部落問題」全国夏期講座の資料集より転載した杉之原寿一先生の講演レジュメを紹介します。
最後の全国夏期講座とあって会場は超満員の受講生であふれ、杉之原寿一先生の年齢を感じさせない熱のこもった記念講演に聴き入りました。
とりわけ、私が感心したのは次の話です。「同和対策事業と引き換えに、部落解放同盟の一部を自民党権力に取り込むことにより、巨大事業を担保し、自民党政治にとって危害のない路線を歩めさせた」「自民党政府にとっては『差別の解消』などどうでもよかった」「そのような認識しかなかったことが幾つかの文献で明らかになった」とのくだりです。先生の推測や考えではなく、政府・自民党の文献から明らかになったことが注目に値します。杉之原先生のこの公演内容は来年の「人権と部落問題」で一年間連載される予定です。
牛肉業界のドン・ハンナン総師の浅田満や近江八幡恐喝事件の西兄弟などに象徴される「同和問題」自身をゆがめ、「地方自治」をゆがめた「解放同盟とは何なのか」との本質論をぜひ深めたいと願っていた私には大歓迎の連載とことでしょう。
(05.7.31 のぶあき)
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